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公演記録

「葵上」 演出ノート

何を隠そう、私は某男性アイドルファンである。
さすがに多忙となった今はそれほどでもないが、
時間とお金に余裕のあった頃はCDや雑誌を買いあさり、
各地で催されるコンサートや舞台を追いかけていた。

情報はもっぱらインターネットで収集する。
そうするうちに、ファン同士の交流が生まれる。
彼のこんなところが好き、あの表情がステキ、など、
彼に関する話題のみを語り合うのだ。

そのなかでも特に気の合う人とは、
一緒にコンサートに出かけるようになる。
コンサート会場ではもちろんその友の隣に座るのだが、
いざ幕があがれば、誰が隣に座っていようと関係ない。
そこはもう、彼と自分の2人だけの世界なのだ。
彼は、私だけのために歌い、踊り、手を振る。
時折何かの拍子に目が合うのだけれど、
私の周囲にいる女性たちも同じ瞬間に悲鳴をあげるので、
ひょっとすると勘違いなのかもしれない。
そして、終わったあと、隣に座っていたであろう友と、
彼がいかに素晴らしかったかを徹底的に語り合うのである。

 しかし、時々ふと思う。
隣で私と同じように彼との世界に浸っているこの友は、
私の同志なのだろうか、それとも敵なのだろうか?
このような現象は、女性特有のものなのだろうか?

ポケティプロジェクトは女性中心の劇団である。
私たちは、家族と、恋人と、同僚と、友人との関係のなかで、
また、毎月おとずれる身体上の兆候によって、
自分が女性であるということを事あるごとに痛感する。

女性に生まれて良かったと思うこともあれば、
女性は損だと感じることもある。
私たちにとって《私たちは女性である》ということは大命題なのだ。

だからこそ、私たちは演劇によって女性を描きたい、
女性側から見た世界を立ち上げたいと考えている。
演劇にはその力がある。
演劇は、目で見、耳で聞き、そして、身体で感じることのできる芸術である。
何を感じるのか。世界を感じるのである。
これは、演劇にしかできないことだと私たちは考えている。

『葵上』は女性の情念、なかでも強い嫉妬心を描いた作品だと言われる。
見終わった男性は「女は怖いな」と感じるのだろう。
しかし、恋をしたからこそ女性は激しくなるのであり、
元をただせば、男性がいるからこそ女性は鬼にもなるのである。

また逆に、女性が美しくなるのも男性がいるからこそである。
女性にとって男性は鏡のように
―それも正しく像を写す鏡ではなく写ったその姿は
過剰に美しかったり醜かったりするのだが―
自らの《性》を反射するものなのである。
『葵上』に登場する女性たちも、
この醜さと美しさを同時に抱えているのではないだろうか。

今回のポケティプロジェクト版『葵上』では、
女性性がもたらす《美しさ》と《醜さ》に焦点をおいて、
物語の世界を立ち上げたいと考えている。
恋をした女性は美しく、そして醜いのである。


植田良子

「葵上」

PKT-P Vol.6

平安時代に生まれたベストセラー「源氏物語」には
実に様々なタイプの女性が登場する。
それぞれの生き様、秘めた思いが読者の心を魅了してやまない。
千年の時代を経て今もなお愛されている所以であろう。

なかでも鮮烈な印象を残すのは、主人公・光源氏(ひかるげんじ)の
本妻・葵上(あおいのうえ)を生霊となって呪い殺してしまう
六条御息所(ろくじょうのみやすどころ)ではないだろうか。
子を宿すことにより光源氏と真に夫婦としての愛情を育みはじめる葵上であったが、
心が通じ合った途端に六条御息所の呪いで命を落とすことになる。
光源氏をとりまく女性たちは儚く、力強く、美しく、そして醜い。

六条御息所が生霊となって呪い殺す場面は
源氏物語第九帖「葵」の段に描かれており、
後年、能や文学、演劇などでもしばしば「葵上」という表題で
その場面が取り上げられている。

今回、ポケティプロジェクトでは“女性性”をキーワードに
「葵上」の世界を立ち上げたいと考えている。
今も昔も、恋をした女性は美しく、そして醜いのである。


演出:植田良子
上演台本:諸岡君代

出演:宮田忍
    田井敦子
    市谷まど香

演出補助:佐々木美栄子
選曲:森裕美 (劇団空想力学)
衣裳:中川有紀子 (劇団冒険主義)


2006年2月11日・12日
於:あかつきホール



「みのむし」 プログラム文章

先日、数人で恋愛について話をしているとき、
ある男性が「それは女性的な考え方だ」と発言しました。
私を含めて周りに居た女性たちは一斉に「そんなことはない!」と反論し、
平行線のまま話を終えました。

けれども後になって、自分が女性に生まれついている以上、
女性的な考え方から逃れるのは難しいのではないか、
ということを考えるようになりました。

気になって調べてみると、
女性と男性とでは脳の仕組みが違っているということを知りました。
近年ベストセラーになった『話を聞かない男 地図が読めない女』(主婦の友社)は
まさにその問題を取り扱っています。

とはいえ、人間には女性と男性しかいないわけですから、
そのような「差」があることにもっと早く気付いてもいいものですし、
その「差」を前提として生きることもできるのではないかと考えます。
けれども実際は、「差」を感じながらも「どうしてわかってくれない?」と
不愉快な思いをすることが多いのではないでしょうか。
それも当然で、すなわちそれこそが「差」のせいなのですが・・・・。

今回私たちは、女性と男性との「差」を自覚しながら、
同時に「差」をまったく無視して、「女性」にまつわる物語をつくりました。
物語に登場する3人の女性は、それぞれのやり方で友人を愛し、
恋人を愛し、肉親を愛し、自分を愛します。
そこにもまた「差」があります。

ご覧になった皆様に「これは私の物語だ」と感じていただけるか、
あるいは「これは私以外の物語」だと感じていただけるか、楽しみにしています。

「みのむし」

PKT-P Vol.5

作:諸岡君代  演出:植田良子


ひっそりと生きている一人の女性。
ある日、彼女を捜し求めてある女性がやってくる。
二人を繋げる人物の存在が明らかになる。
「何故、殺したんですか」過去を振り返る二人の会話。
明かされる真実とは何か。
カテゴライズ出来ない感情の行き先は・・・

ポケティ初の劇団オリジナル作品。
「女性」をテーマに描いた作品であったため、チケット代金にも
女性料金を設定するなど工夫を凝らした。

CAST/
宮田忍
中川有紀子(劇団冒険主義)
森裕美(劇団空想力学)

STAFF/
田井敦子
内藤圭祐
小野坂有里子
佐々木美栄子
一宮正人
ミュウライティングオフィス
高松工芸高校演劇部

2005年1月22・23日 
於 あかつきホール



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「14歳の国」

PKT-P Vol.4

作:宮沢章夫  演出:PKT-P

そこはある中学校の教室のようにも見える。
体育の授業中らしく、生徒の姿はない。
こっそりと持ち物検査を始める教師たち。
「これは正しいことなんだ」と言い聞かせつつも
何故か胸を張れない後ろめたさを感じながら。
そして最後に彼女達が見つけたものは・・・!

ポケティオリジナルメンバーによる、約一年ぶりの公演


CAST/
宮田忍
田井敦子
市谷まど香
植田良子
諸岡君代

STAFF/
内藤圭祐
小野坂有里子
鏡原 正行
朝倉久美子(フリー)
佐々木美栄子
藤川愛

2004年1月24日 
於 高松市生涯学習センター・まなびCAN多目的ホール



「シュガーレス」

Keyword:1 甘い夢は見ない
Keyword:2 主婦は手帳
Keyword:3 飛び降り、迷惑
Keyword:4 二種類の夢 


「風のない夕方
太陽がビルの向こうに消えて
都会のいろんなものが交じり合った
あの低いゴーっていう音が一瞬止むとき。
仕事が終わって
みんな両肩に乗っかった
重い石を下ろして
ふっとため息をつくとき。
まるで奇跡のような
あの一瞬の静けさの中
あの音が聞こえてくる」

突然姿を消した少女をめぐる人々の、「夢」の物語。


CAST/
宮田忍
諸岡君代
植田良子
一宮正人(劇団冒険主義)
森裕美(劇団空想力学)
藤田和歩(高松西高演劇部)

STAFF/
淀谷由紀
小野坂有里子
市谷まど香
田井敦子
内藤圭祐

2003年1月26日 
於 高松市生涯学習センター・まなびCAN多目的ホール



「ダイエット」

PKT-P Vol.1.5

食べることで自分を保つ。
食べてさえいれば大丈夫。
その均衡が壊れたとき、一体どうなるんだろう。

もう一度、心のなかの幼いあたしに会えるだろうか。


CAST/
北條きみよ
宮田忍
市谷まど香
植田良子
田井敦子

STAFF/
小野坂有里子
淀谷由紀
内藤圭祐
泉敏数(フリー)


2002年5月4日 於 あかつきホール 
番外公演



「2001年版 ボクらの時代-恋するロボット-」

PKT-P vol.1 旗揚げ公演

作:やまもとけいぞう


空腹で何かを食べたいと思うことや、
睡眠不足で眠りたいと思うことが、
いったいどんなことか疑問を持つことは、
まず絶対にないんだけれど、
人間の気持ちというものはそう単純なものばかりじゃなくて、
人を恋する気持ち何ていうものは、
恋する本人にしても、
何だかわからない気持ちなんじゃないだろうか。

恋するということを知らない人に、
そのことを説明しようとする場面を想像すると、
これは多分もう笑うしかないわけで、
このお話は、それが出発点。
でも、そんな何だかわからない人間という存在は、
そうだからこそ素敵なわけで、
人間が生きるっていうことが、少し悲しくて、
でもとても素敵なことだと思えたら ゴール、というわけです。


「恋愛について教えて下さい」
売れっ子恋愛小説家、佐代子の前に現れたロビィと名乗るロボット。
その答えは果たして出るのか。

「そんな風に問いかけるのは、寂しいっていうことなんだよ・・・」


CAST/
植田良子
宮田忍
田井敦子
市谷まど香

STAFF/
北條きみよ

淀谷由紀
小野坂有里子
内藤圭祐
川田 正明

2001年10月1日 於 あかつきホール 
前売500円の1 Coin Theater(ワンコインシアター)。
(第2回高松市民演劇祭 参加作品)



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